連日、文教常任委員会での議論をお伝えしています。
 2日は、府立学校のAED(自動体外式除細動器)の設置、活用について質問いたしました。京都府ではすべての府立学校にAEDが設置されていますが、AEDの使い方を含む、「普通救命講習」を受講しているのは、教職員で20%弱、生徒で5%弱、とのこと。それでは、万が一のとき、AEDがあってもそれを使うことができない、という事態も考えられるのではないかという指摘をいたしました。
 AED受講が進まない原因としては、教える側の消防本部の人手が足りず、学校側が順番待ちをしていて時間がかかっていること、等が考えられます。しかし、そんな悠長なことは言っていられません。いつなんどき、先生方や生徒さんが心肺停止などに陥るか、わからないのです。
 今年は、高校野球に関して象徴的な事故が2件ありました。
 1件はある高校での練習中のこと。ボールが胸にあたった生徒さんが心肺停止状態となり、AEDを取りに行くのに時間がかかったこともあり、その生徒さんは亡くなってしまった。もう1件は試合中やはりボールが胸にあたり心肺停止状態に陥ったが、その試合をたまたま救命士の方が見ていて、AEDが近くにあったこともあり、その生徒さんは助かって、元気に野球を続けている、というものです。
 単にモノがあれば良い、というのではなく、それが活用できる環境づくりが大切だと思います。AEDを使える人を増やす、消防本部の方が少ないのであれば、民間やNPOを活用して多少お金がかかってもすみやかに講習を受講できる体制をつくる、また、AEDが学校のどこに置いてあるかを常にチェックしておく、さらには、学校内だけではなく、各種試合やイベントにおいても救急体制を構築しておくことが必要であると考えます。