鴨川条例がこの4月から施行されるにあたり、実際に鴨川近辺を
現地調査いたしました。
この条例は、鴨川の景観や環境を保全するため、河川敷での
バーベキューや花火を禁止し、放置自転車の撤去などを定めたものです。
多くの放置された自転車が、4月以降は可及的速やかに
撤去されることになります。
調査中委員の一人が、「単に撤去するだけではだめだ。
代替となる駐輪場が必要ではないか。自転車は市民の大切な足であり、
市民の利便性をもっと考えるべきだ」と発言されました。
一見もっともな意見ですが、駐輪場になりうるスペースの
確保が難しいという物理的なこともありますが、それより、鴨川条例の趣旨に
照らせば、「本当にそうだろうか」、と思いました。
例えば、家から自転車に乗り河川敷に駐輪して、京阪電車に乗るなどすれば、
個人的に見れば便利だと思います。
しかしそれが集団になると、鴨川の景観や環境を
壊すもとになりますし、通行人の迷惑にもなっています。
つまり、景観や環境を保全し、公共の利益を向上させるためなら、
個人が多少不便になることにがまんしなければならない、
ということではないでしょうか。
環境にやさしい、とは人間には厳しいことだ、と聞いたことがあります。
環境問題や地球温暖化問題が益々クローズアップされる昨今、
利便性ばかりを求める我々現代人は、これまでの価値観を変えること、
そして、未来のために本当に大切なことは何か、を真剣に
考える時期に来ているのだと思います。