*これは、今朝のスピーチ原稿を加筆・修正したものです。
 評判が良かったので「たなけんの主張」コーナーに掲載いたします。
 ご笑覧下さい。
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 本来、家庭は、誰にとっても最も身近な人と共に暮らす場であり、
私たちの生き方の根幹を形作るところだと思います。
 しかし近年、多くの家庭において、乳幼児や児童に対する
親の虐待、夫婦間の暴力沙汰、年老いた親に対する虐待など、
悲惨な事件が発生しており、両親をはじめ、身近な家族に
対する思いが益々希薄になっているような気がいたします。
 私自身も、両親に対する思いを忘れがちですが、
最近になって、父への恩について気付くことがありました。
 私は学生時代、学校の成績は比較的悪い方ではありませんでした。
そして、学校の成績がいいのも、3年間クラブ活動をしながら
現役で大学に入れたのも、また、大きな会社に就職できたのも、
「自分が努力したから」、「自分ががんばったから」と、思っておりました。
 私が中学生のころにこんなことがありました。
 私の父はタクシーの運転手をしていたのですが、勤務シフトの関係で
帰宅はいつも深夜になりました。
 ある日、私が試験勉強を遅くまでやっていたところへ、仕事から帰宅した父が、
「いつまで起きているんや。早く寝ろ」と私に強く注意をいたしました。
中学生の私は、「遅くまで試験勉強でがんばっているのに
何ていうことを言うんや」と不足に思っておりました。
 しかし、今になって考えますと、父は、目先の試験勉強よりも、
早く寝るという生活習慣の大切さを注意してくれたのではないか。
事実として、その時やっていた試験勉強は何一つ覚えていませんが、
早寝早起きという生活習慣がある程度自然に身に付きましたし、
ひいてはそれが学習の習慣につながり、いい成績をとることに
つながったのだと思うことができました。
 父は4年前に他界し、母も3年前に他界してしまいましたので、
直接言うことはもうできませんが、両親には「ありがとうございました」という
感謝の言葉しか見つかりません。
 また、両親が他界した後、身近な家族がいなくなり、全く一人ぼっちとなって
暮らしていた私も、昨年結婚し、今年の3月には子どもを授かることができました。
 子どもは生まれて数ヶ月のうちに、あるいは数年のうちに、
すでに孝行という孝行をし尽くしてくれている、あんなに可愛く、
あんなにもいとおしい存在が生まれてくれた、これ以上の親孝行があるものか、
と言われます。
子どもに対しても、「生まれてきてくれてありがとう」と
感謝の気持ちが自然にわいて出てきました。
 仕事の面では、おかげさまで、府議会常任委員会で副委員長の
お役をいただき、地域でも、消防や体振、少年補導などの多くの
お仕事をちょうだいし、たいへん忙しく仕事をさせていただいております。
 家庭でも仕事でも充実した日々を送っておりますのも、今は亡き両親、
そして妻子、さらには、地域のみなさまのおかげさまであると、
心からの感謝をさせていただいているところでございます。
 ありがとうございました。